2019.08.02

大阪「LACERBA(ラチェルバ)」藤田シェフによる新作前菜料理の作り方

今大阪で注目のレストラン「LACERBA(ラチェルバ)」「agnel d’or(アニエルドール)」「RiVi(リヴィ)」。2019年7月中旬、この3レストランのシェフによる料理コラボイベント「Foodion presents Osaka new wave LACERBA × agnel d’or × RiVi」が開催されました。

そのコラボイベントで振る舞われたLACERBA(ラチェルバ)藤田シェフの新作前菜の作り方をお届けします。華やかなアミューズに続いて、スムーズに料理に入れるような流れを考慮した結果、前菜はあえて2品を提供。その作り方をご紹介します。

■前菜(ラチェルバ):とうもろこしの一品

agnel d’or(アニエルドール)藤田シェフ(以下、a/藤田シェフ):
材料は何ですか?

LACERBA(ラチェルバ)藤田シェフ(以下、L/藤田シェフ):
1品目は、トウモロコシのピュアホワイトを使ったクリームブリュレです。ピュアホワイトで作ったソルベです。砂糖をほとんど使わず自然の甘みを最大限引き出しました。これは酸味のあるチーズとハーブ、にんにくを混ぜたものです。最後にビックコーン、あられみたいな食感です。一応材料はとうもろこしシリーズで揃えました。飾りはペンタス、マイクロセルフィーユです。

RiVi(リヴィ)山田シェフ(以下、山田シェフ):
ビッグコーン?

a/ 藤田シェフ:
アメリカで食べられているものですよね。粒がめちゃでかいです。

とうもろこしのブリュレをバーナーで焦がす

L/ 藤田シェフ:
1品目ですが、ピュアホワイトのクリームブリュレを仕込んでおいたものに、カソナードを焦がしてカラメルを作ります。デザートであれば、たっぷりかけますが今回はあくまで前菜なので、ほんの少しのカソナードを焦がします。ちょっとしたアクセントですね。トウモロコシの自然な甘みで食べてもらいたいんです。バーナーで焦がして、さっと冷蔵庫で冷やします。
冷えたブリュレにチーズとソルベを盛ります。ビックコーンを乗せて、ピュアホワイトで作ったピュレを乗せます。続いて、自家栽培ペンタスを飾ります。

山田シェフ:
自家製なんですか?!だからこんなにきれいなんや。

L/ 藤田シェフ:
はい、朝摘んできました。自家製なのでたっぷり使えます。最後にエクストラバージンオイルを垂らします。
完成です。

とうもろこしのブリュレ完成品


a/藤田シェフ、山田シェフ:

かっこいい!

亀の手の一品の材料

■前菜(ラチェルバ):亀の手の一品

L/ 藤田シェフ:
二品目は、亀の手と日本酒で炊いた出汁を使います。出汁をとった亀の手は剥き、これだけだと味が弱いので燻製にかけました。他には、竹炭を使った黒いチュイルですね。飾りにスプラウトを使います。炭で黒くしたマヨネーズです。青のりと乾燥醤油を混ぜたものも使います。乾燥醤油は購入したものです。一回自分でつくろうと思ったら、焦げて何にもなくなってしまって。海水塩みたいに残ると思ったのに。

山田シェフ:
焦げて何にもなくなってしまったって(笑)

L/ 藤田シェフ:
何も生まれなかった(笑)

a/ 藤田シェフ:
(笑)

LACERBA(ラチェルバ)藤田シェフ

L/ 藤田シェフ:
まずは亀の手の殻を軽く炙ります。こうすることで香りを立たせます。

山田シェフ:
これをスープの底に沈めるんですか?

L/ 藤田シェフ:
そうです。食べられませんが、磯の香りが一気に立ちます。

a/ 藤田シェフ:
香りが凄く立ちますね。

亀の手をフライパンで炙る

L/ 藤田シェフ:
器にスープを入れます。

山田シェフ:
このスープは澄ませているんですか?

L/ 藤田シェフ:
そうですね。

山田シェフ:
亀の手は、燻製するだけで一気に旨味が上るんですか?

アニエルドール藤田シェフとリヴィ山田シェフ

L/ 藤田シェフ:
あさりの出汁とった時と同じような感覚です。初めて食べた時、出汁に旨味が移ってしまったなと思い、味を戻したくて。他にイメージしたのは、自分の記憶、幼少期の思い出ですね。自分の育った田舎の海をイメージした時、無人島で焚き火をして亀の手を食べたなという思い出から、燻製の香りと潮の匂いを一緒に連想しました。その2つの理由です。

山田シェフ:
着想はみんな似ていますよね。

L/ 藤田シェフ:
経験・記憶から、やね。

a/ 藤田シェフ:
さっきも山田シェフと同じ話していました。

亀の手とチュイル

L/ 藤田シェフ:
チュイルに黒マヨネーズを乗せ、その上に温めた燻製の亀の手を乗せます。その上に、乾燥醤油風味の青海苔、スプラウトと乗せて完成です。

L/ 藤田シェフ:
僕の前菜は二品あるけど、華やかなアミューズに対していきなりドンと皿で行くより、小さい2品から行くと流れがいいかなと。一気に二品よりもトウモロコシの方を先に提供したほうがいいかな?その方がアミューズからの流れがいいかな。

a/ 藤田シェフ:
亀の手は後出しのほうがいいですね。最初に冷たいトウモロコシを食べてもらいましょう。

L/ 藤田シェフ:
タイミングが大事やね。

チュイルを器に乗せる

編集部:
ビジュアルが海辺の苔っぽさを連想させ、かっこよすぎます。どのようなプロセスを経てこの見た目に辿り着くんでしょうか。料理の着想はビジュアルから思いつくのでしょうか。

L/ 藤田シェフ:
そうではなくて、今回はある意味必然性ですね。亀の手は僕自身好きですし、いい出汁が出ることも知っていました。まずは出汁を作り、身がもったいないという思いから生まれた一品です。
「こんなかっこいいものを作りたい」という思いから作り始めることはほぼないですね。デザインから入ること半分、必然性から入ること半分です。クラシックで育ったので、いかにクラシックを自分のフィルターを通して表現するか、その時々で考えます。

亀の手の一品の完成品

 

【コラボイベント関連コンテンツはこちら】

新進気鋭の3人シェフに聞く「料理コラボイベント」の思い ‹前編›

新進気鋭の3人シェフに聞く「料理コラボイベント」の思い ‹後編›

イベント新作料理の作り方──RiVi(リヴィ)山田シェフ

イベント新作料理の作り方──agnel d’or(アニエルドール)藤田シェフ

Foodion presents Osaka new wave LACERBA × agnel d’or × RiViコース全品紹介


■LACERBA(ラチェルバ)
お問い合わせ:06-6136-8089
アクセス:大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2−1
営業時間:【平日・土】ディナー 17:00~23:00 (L.O.20:30) / 【火~土】ランチ 12:00~14:30
定休日:日曜日

 

文:菊地由華
編集:Foodion編集部
動画撮影:TransTone Co.Ltd.