大阪市福島区にある「あやむ屋」。誰にでも気軽に楽しめる庶民の味「焼き鳥」を、妥協することなく高めたこだわりが評価され、8年連続でミシュランを獲得し続けている。
店主の強い情熱とこだわりの焼き鳥を仕込みから「胸肉」「せせり」「つくね」の3種を撮影させて頂きました。
目次
まず、仕込みの時には必ず左手に軍手をします。
二つ理由があるんですが、鶏は熱に弱いので体温の熱が鶏肉に伝わらないようにしています。こうすることで鶏肉の傷み方が違います。もう一つはうちの鶏肉は脂分がしっかりあるのですべり止めですね。汚れたら替えるのでつねに何枚かの軍手を置いています。
これが今朝、丸鶏からさばいた胸肉です。うちは丹波地鶏を使っています。
ほぼ毎日届くので、丸鶏をさばいて、いましているような仕込みをしています。
ただ、その日さばいたものをその日に提供するわけではありません。
串に刺して少し置いたものを焼いた方が美味しかったりもしますので、状態によっては1日〜2日保存したものを提供しています。
サイズを合わせながらカットします。
串に指す時に逆三角形になるように(上の肉が大きく、下の肉が小さく)しています。
それは、焼く時に上部(網の中央部)は熱が強く、下は熱が弱いからなんですが、1つの串で均一に焼き上がるようにといった配慮をしています。
うちは串中心の焼鳥屋なのですが、この「せせり」が単品での追加注文が一番多い串ですね。
「せせり」は首の肉をせせったもの(小刻みに切るの意)です。なので「せせり」と言うんですが。地域によっては違う呼び方だったりします。
まずは、これを串にして美味しい部位と、ミンチににして「つくね」にする部位とに分けていきます。
肉の部位がしっかりあるものは串に、それ以外はミンチに、血合いがついたものは廃棄します。
串に刺すものに分けた部位を、串に刺していきます。畳んだり、ねじったりしながら整形していきます。うちでは、一本の串に3本ほど、しっかり巻きるけるように刺しています。
こうすることで焼いている時に肉汁が逃げず、より素材を美味しく食べてもらうことが出来ます。ボリューム感もありますし、満足感の高い串になります。
うちではミンチ肉を自家製で作っています。
普通はミンチ肉自体をお肉屋さんから仕入れるのですが、ぼくはミンチになっているとその肉が、何時のものなのか、どこの肉を使っているかとったことがわからなくなってしまいます、それが嫌なので自分で作っています。
「つくね」は焼き鳥の中でも花形でもあるので、そこは疎かにしたくないです。
自家製でやってるところは少ないです。5%あるかないか…ぐらいじゃないですかね。こんな機械も焼き鳥屋で持ってる所はなかなか無いとは思います。
肉の状態によっては玉ねぎを少量入れたりはありますが、うちでは基本的には副材料は使いません。
丸鶏をさばいて余った端肉や、皮、先程のせせり、手羽元など鶏肉だけをミンチにして、「つくね」にします。
季節によって肉の質も違いますので、それに合わせて配合を少し変えたりもします。冬は脂分がありますが、夏場は少ないので少しぱさつく感じだったりしますから皮など脂分になる部位を大目に足したりというようなことですね。
最後に塩、塩コショウをまぶし、混ぜ合わせます。
混ぜすぎると油が分離してしまうので、あまり強く混ぜすぎないようにするのがポイントです。
出来上がったミンチ肉はそのまま保存し、オーダーがあってから丸めて焼いていきます。
うちは、紀州の備長炭を使用しています。備長炭自体は海外のものもありますし、国内でもあるんですが、圧倒的に紀州の備長炭がいいです。
もちろんそれだけ高価なのですが、品質が違います。
表現するのが難しいですが…火力や火の通り方…すべてにおいて他の炭と比べて優れています。
うちの焼き鳥はこの紀州の備長炭でないとできないですから、高くても買わざるを得ないという感じですね。
■ アクセス
大阪府大阪市福島区福島5丁目17−39 楠ビル 1F
福島駅から徒歩1分
■ お問い合わせ
06-6455-7270
■ 営業時間
17:30-21:30
■ 定休日
日曜、祝日