「志あるものは事を成す」好きで料理の世界に入ったのなら、好きにならなきゃいけない

Wakiya一笑美茶樓
脇屋 友詞

Wakiya一笑美茶樓 脇屋友詞

■町場のお店からホテルへ

5年間山王飯店でやってこられて、よそに移ろうと思ったきっかけは何ですか?

脇屋氏:
何かこう、段々とその調理場とか、世の中の事とかがわかりだしてきて、他のお店の料理を見てみたいし、そういうところに行ってみたいという思いが強くなってきて。今の店にいても当分ポジションは変わらないなっていうのを感じて、じゃあ飛び出してみようって。ちょうど20歳のときに、「楼蘭」に移りました。

「楼蘭」で約3年間修業をして、その後ホテルに行かれてますよね。

脇屋氏:
ずっと町場のお店だったから、ホテルに行って大きな組織の中でやってみたいというのがありました。

まず、渋谷のホテルを1年経験し、そこから「東京ヒルトン」に入ったんです。もともと、ヒルトンで働きたいという想いは強かったんですけど、やっぱり、町場の親方の下で働いていた人がホテルの組織で働くとなると、ある程度学んでおかないと…というのもあってワンクッション入れました。

その頃から「世界を見る」というような想いがありましたか?

脇屋氏:
いや、それはなかったですが、ただやっぱりお客様の数とか層とが違いますし、宴会料理も、立食・パーティー・ディナーショーから、結婚式まで。いろんな催し物があって、通常のレストランとは違いましたね。

町場のレストランがホテルに代わって、苦労されたのではないですか?

脇屋氏:
ホテルは週休2日で8時間労働でしたから、そうでもないですね。とにかく板をやりながら、率先して前菜も手伝うし、鍋の方も行くし。隣がフレンチのキッチンだったので、空いてるときはそこを見に行ったりして、手伝いながら勉強していました。

東京ヒルトンでは、最終的にはどのようなポジションでしたか?

脇屋氏:
「東京ヒルトン」が「キャピトル東急ホテル」になって、最終的なポジションは副料理長でした。その後、立川にある「リーセントパークホテル」のレストランに、立ち上げから携わりました。

立ち上げってやっぱり大変でした。お皿もカーテンも、料理の味付けも、1から100まで全部やらないといけないし、その店の「レール」をつくっていかないといけない。でも、これまで何年もやってるうちに、すべて自分で決められることをやってみたいという想いは芽生えてきていましたから、やりがいはありました。

そこに石鍋シェフが食べに来てくれてね、立川まで。「今度新しいホテルができるんだけど、一緒にやらないか」と声をかけくれて。「パン パシフィック ホテル横浜」で、「トゥーランドット游仙境」を立ち上げました。

Wakiya一笑美茶樓 外観

■時代の流れに応じて、お客様の求めるものと向き合うこと

中華にフレンチの要素を取り入れたモダンチャイニーズを確立したのはそのころですか?

脇屋氏:
立川ではじめて自分が料理長になったときですね。それまでは自分のやりたいことがあっても許しがなければ、できませんでしたから。

中国料理って大体“一緒盛”っていって、皿の大きさは小・中・大しかないんですよね。小でも2~3人前あるので、二人で食事に来ても小を1、2品頼んでお腹一杯になっちゃう。

それを半分ずつにしてくださいっていっても、そんなことするところはなかったですよね。一方で、イタリアンにしてもフレンチにしても、お皿に一人前ずつ出してくれるでしょ。だからこそ、デートで使ったり、接待に使えたりする。

当時の中国料理は今と違って、みんなでワイワイ食べるものというイメージだった。そこを変えたかったんです。チャイニーズでもデートで使えて、いろんなものが食べられるものを作れたらいいなと。

「中国料理だから”一緒盛”でいいんだ」じゃなくて、2名だったら2名分作ってあげたらいいんだっていうことに気付いた。時代の流れや、お客様が求めてるものは何なのか、というところに向き合うのは大事なんです。

もしかしたらその時の売上は下がるかもしれないけど、月1回来てくれるお客様が月2回になるかもしれない、2回が4回になる可能性だってある。だから、そういう気遣いは考え抜かないといけない。

その後、ご自身のお店Wakiya一笑美茶樓を開かれたんですね?

脇屋氏:
一店舗目が「Wakiya一笑美茶樓」ですね。調理人としての人生が「山王飯店」から始まったということもあって、自分でもし店をやるんだったら赤坂でやってみたいなという想いはありました。

最初からそんなにうまいこといくわけないのですが、一度来てくれた人がまた来てくれて、別のお客様を呼んでくれて…。口コミで少しずつ広まってたくさんのお客様に来ていただけるようになりました。

自分の店を持ったからと言って、これまでと料理の想いは変わらないですよ。とはいうものの、自分がオーナーになって借金があると、そのプレッシャーはあります。何が何でも美味しいものをつくり、良いサービスをし喜んでいただいて、もう一回この店に来ようっていう気持ちになっていただくために、必死になりました。

Wakiya一笑美茶樓 内観

Wakiya一笑美茶樓

お問い合わせ
03-5574-8861
アクセス
東京都港区赤坂6-11-10
千代田線「赤坂駅」6番出口より徒歩3分
営業時間
ランチ / 11:30~14:30 L.O.
ディナー / 17:30~22:00 L.O.(土日祝は21:00 L.O.)
定休日
無休