フランスに二軒の三つ星レストランを実現。インターナショナルにフランスガストロノミーの価値を広める

Pavillon Ledoyen, Alléno Paris(ルドワイヤン)
Yannick Alléno(ヤニック・アレノ)

Pavillon Ledoyen, Alléno Paris(ルドワイヤン)料理

■新しい味を創り出すことができ、初めて料理人となる

プロとしての仕事の哲学を教えてください。

アレノ氏:
最高のものを得られるように、創作し、革新し、試作し、食材の持つ可能性に挑むことが好きです。真剣に仕事に取り組むことと、料理に対する情熱を燃やし続けることが私のモットーです。料理を分かち合い、ガストロノミーへの情熱を伝えることが日々の刺激になっています。

アレノ氏の料理で大切なことはどんなことですか。

アレノ氏:
グラン・キュイジニエ(偉大な料理人)とは味を追求し続ける料理人のことだと思います。モダンさは私たちの料理にとって大切なポイントの1つです。現在料理に期待されていることに、応えようとしています。

グラン・キュイジーヌ・フランセーズの知識を活かしながら現代のテクノロジーと融合させ、これまでにあったものと全く違った料理を提案し、最終的に目指すものは新しい味です。アイデンティティーがしっかりとした料理を作ろうとしています。

クリエイティビティ、視覚的な印象、エレガンスが最も重要です。その一方で、私はここイル・ド・フランス県(パリのある県)の食材をシンプルに調理することも喜びとしています。2006年からパリ地方のテロワールを守る活動をしていて、私にとって重要な活動となっています。

シェフのインスピレーションはどのようなところから得ているのですか。

アレノ氏:
音楽、音、色、香り、旅行、人との出会い、全てが私にインスピレーションを与えてくれます。料理人は、全てに関心を持ち、面白いものを集めていける、好奇心旺盛なコレクターでいなければなりません。

私は新しい料理を創作すること、つまり、食材を工夫し、独創的なアコールを生み出し、新しい味を取り入れ、変化させ、発見していくのがとにかく好きです。探し続ける中で、望む味や新しい味を見つけていくのです。

ルドワイヤンに来ていかがですか。

アレノ氏:
自分のレストランというのはいいものです。「料理長」と「料理人」では大きな違いがあります。私は30年以上かけてやっと「料理人」になれた気がします。自分のしたい料理ができるようになりました。2014年に「ルドワイヤン」に来て、「アレノ・パリ(Alléno Paris)」をスタートさせました。

ミシュランの三つ星とゴ・エ・ミヨ(Gault&Millau)の評価を受け、さらに「サンペレグリノ世界ベスト50レストラン(World’s 50 Best restaurants)」にもランクインしました。このような名誉ある評価を受けることが出来、とても幸せです。

私の料理はモダンで、クリエイティブで、ヌーヴェル・キュイジーヌというジャンルから完全に解放されています。エクストラクション(Extraction)という調理法は、これまで鍋に水分を入れることで味を出していたソースの概念を変える調理法で、真空パックなどを使って素材が持っている水分を外に出すことで旨味を抽出しソースを作る方法です。
他にも、発酵による伝統的な調理法を利用し、料理における郷土というものを表現するための、考察、発見に満ちています。

パリというテロワール(郷土)の素晴らしい食材への関心が柱となっています。今になってやっと、このテロワールの持つ素晴らしい味に気がつきました。ワインと同じで、同じセロリでもパリとノルマンディーでは違うのです。

私たちの提案するモダンな料理とは、フランスのガストロノミーのしっかりとした土台の上に、研究と開発を重ねて実現しています。特に「アレノ・パリ」にとってソースは切り離せないものです。エクストラクションのおかげで、これまで想像したことのなかったような味、センセーショナルな程ピュアな味、長く続く余韻を実現しました。

私たちの提案するモダン・キュイジーヌのコンセプトは、フランス・ガストロノミーの技術を土台とした上で、クリエイティビティを表現し、リサーチをもとに発展へとつなげることです。

コンクールの審査員をすることには何か意図があるのですか。

アレノ氏:
私もコンクールはたくさん参加してきましたが、成長させてくれる最高の学びの舞台です。なので、「サンペレグリノコンクール」のフランスのメンターを喜んで引き受けました。

フランスのファイナリストである安發伸太郎と世界大会に臨むことは素晴らしい挑戦であり、彼は頂点を極めるのに必要なもの全てを兼ね備えていると感じました。

今日、若い料理人たちが作る料理は印象的なものばかりで、ミラノで5000平方メートルの巨大な会場で決戦が開かれる素晴らしい登竜門です。

ル・プランシパル(Le Principal)というコンパクトなランチメニューを提案していますがどのような意図があるのですか。

アレノ氏:
メイン料理と飲み物と小さなお菓子を45分で楽しめるという、三つ星レストランとしては革新的な試みです。良いものが食べたい、けれど食べ過ぎたくはない、ライフスタイルに合った長過ぎない時間でガストロノミーを楽しみたい。そのような要求に合った提案です。

ミシュランガイドのオーナーであるミカエル・エリス(Michael Ellis)は最近会った時に、「これはやってみる必要がある試みだったんだ、あなたが挑戦してよかった」と言っていました。お客さんも、時間の心配がないとわかっているので、より食事を楽しむことができます。

Pavillon Ledoyen, Alléno Paris(ルドワイヤン)外観

Pavillon Ledoyen, Alléno Paris(ルドワイヤン)

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+33 1 53 05 10 00
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8 Avenue Dutuit, 75008 Paris
メトロ1番線 Concorde, Champs-Elysees-Clemenceau駅
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12:00-14:30, 19:30-22:00(土曜は夜のみ)
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