世界に通用する「Yakitori」を目指して。常識や前例にとらわれず、時代の先をみながら挑戦しつづける焼鳥界の先駆者

バードランド
和田 利弘

和田利弘 バードランド

■気になった飲食店にはとことん通って、“愛される客”になれ。欠点探しでは勉強にならない。

「常連」になることで視界が変わり、出される料理も変わってくるのですね!

和田氏:
同じ店にずっと通い続ける方が、この料理はこういうものなんだってことがわかってくる。そして愛されるお客さんになれば、普段と違うものも出てくるし、「昔は~こういう仕事があった」なんて料理についての理念も教えてくれる。他ジャンルなのに、先生みたいに教えてくれるようになるんですよ(笑)。

すごいなって思う人には、引き出しがいっぱいあるから、季節ごとに行ってみたり、同じものを自分が納得するまで食べ続けてみたり、そういうことの方が本当の勉強になるんです。

料理人が他店に食べに行くと、同業だとすぐにばれてしまうと聞いたことがありますが…。

和田氏:
僕は全然料理人だと思われません(笑)。普通にしてるからね。

料理人だってばれてしまうのは、あそこがダメ、ココが汚れてる、と「欠点」探しをついしてしまうからなんです。普通のお客さんは「あの料理おいしそうだなー」って見ている。そもそも見ているポイントが違うんだ。

その店をいいなって思ってきているお客さんは「ここがいいんだ」って「長所」探しをしている。僕も料理を食べたら「美味しいですねー!!!」って長所を楽しんでいます。

普段やらないくらいに「今日最高のもの出してよ!」っていうオーラを出して、褒めるわ美味いわ喜ぶわってやっているの。そうするとお店側が「お兄さんほんとに食べるの好きなんだね!今度また来てくれたら次はこういうの出してあげるからまた来てよ!」って。

そして、三回目くらいでやっと仕事何やってるのって聞かれて「焼鳥屋です」っていうとかなりびっくりされる(笑)。

最初からそういうスタンスで食べ歩きをされていたのですか?

和田氏:
いえ、僕も最初はやっぱり欠点探しをしていました。

ある日、知り合いに「昨日どこに食べに行ったんですか?」って聞かれたことがあってね。いやどこどこに行ったんですよって答えたら、その次に「どうでした?」って聞かれたとき、思わず「え?」ってなっちゃったの(笑)。

そうだなー…ん?僕は何をしに行ってたんだろう…って考えてしまった。

するとまたそこによく行ってる人が近くにいて、「あそこのあれは食べた?美味しいでしょ?あそこによく行くお客さんはみんな頼むんですよ!」っていうんだ。そこまで言われても、僕は見てなかったな…としか答えられなかった。

この経験から、いくら欠点を探したってなんの勉強にもならないってことに気付いたんです。完璧な飲食店はない、でもここがいいと通っているお客さんがいる。流行っている理由はそこにある。せっかく少ない休みの日に、お金と時間を使って欠点探しをしてたらもったいない。何か得られるものがないとね。

バードランド カウンターテーブル

■見るポイントを少し変えるだけで、驚くほど大きな情報になる。

お店によって異なる、いわゆる「流行り廃り」を見つけるのは一筋縄ではいかないと思います。何か見つけるコツなどはあるのでしょうか。

和田氏:
実はそんなに難しくはなく、繰り返しているとすぐわかるようになります。

まずは自分自身が楽しむことが大事。来ているお客さんが楽しんでいるんだから、自分も楽しめば、そのお店のいいところはおのずとわかってくる。楽しんでいるお客さんに乗っかっちゃえばいい。

あとは「お店に愛されているお客さん」を見つけること。全然喋っていなくても、この人はお店に愛されている!って人が必ずいるから。その人が何を食べて、どうしてお店に愛されているんだろうって理由を考えるんだ。

同業の焼鳥店にもよく食べ歩きに行っていたのでしょうか。

和田氏:
実は、「勉強にならない」ってことに気付いてからは焼鳥屋さんには行っていないです。

「勉強にならない」というのは?

和田氏:
もちろん最初は勉強のために食べに行っていました。特に感銘を受けたのは「伊勢廣」さん。丸ごとの鳥を仕入れて、それをすべて使い切るっていう考えとやり方が素晴らしいんだ。僕はシャモ一本でいこうと思っていたし、どこが多く出て、どこが出ない、なんて結果ではダメだった。丸鶏を使うのだからあたり前のこと。だからすごく勉強になった。

でも途中で気付いたのは、お客さんは焼鳥屋同士を比べていないということ。そしてお客さんは寿司屋、てんぷら屋、フレンチに中華と色々な店に行っている。そういうお客さんに「いい焼鳥屋だ」と思ってもらうには何が必要か?を考えるべきなんだ。
だから同業の店を勉強したって意味がない。「いい店」の条件は何なのか。たくさんの名店を知っている人が「このお店いいな」って思うのは、どういう条件なんだろうって。その視点で考えなければと思ったんです。

なるほど。だからこそ周りにいるお客様を見ていないと、そのポイントがわからないということですね。

和田氏:
美味しいものをたくさん食べている人の“いい焼鳥”と、飲食店人でその世界にどっぷり浸かっている人の“いい焼鳥”。そのちょっとした違いを理解することが、食べ歩きで勉強するうえで一番の成果ではないかと思います。

バードランド 外観

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