料理は幸せなものであるべき。素晴らしいものを作ると、自分自身が嬉しくなり、さらにそれで人を喜ばせることができる

8 ½ Otto e Mezzo BOMBANA
ウンベルト・ボンバーナ(Umberto Bombana)

■家族と共に、食材を採り、料理した思い出。それが「料理は幸せなものであるべき」という料理哲学に。

北イタリアご出身とのことですが、料理を始められたきっかけについて教えてください。

ウンベルト氏:
私の生まれ故郷は、北イタリアのベルガモ(Bergamo)という山あいの町です。ミラノからほど近く、多くの人がバカンスに来る場所です。祖母は、昔、上流階級の家族のために料理を作っていて、祖母から多くのレシピを学びました。祖母はロンバルディア州のマントヴァ(Mantova)出身で、たくさんの北イタリア料理を教えてもらいました。中でも祖母の作るパスタやロースト、コテキーノ(エミリア=ロマーニャ州名産のサラミ)は絶品でした。

子どもの頃の、料理にまつわる思い出はありますか?

ウンベルト氏:
私は7人兄弟の上から2番目で、姉や弟たちと、よく山に行っては、野生のアスパラガスやほうれん草、ポルチーニ茸やベリーなどを採って、それを祖母と一緒に皆で料理したものです。そんな幸せな記憶が私の料理の根底にあります。中でも私が好きだったのは、ニョッキ作りです。ジャガイモをつぶして、こねて、という作業がとても楽しかった。特に、日曜日の朝、大家族全員で囲む食卓の準備をするのが大好きでした。人生で、心に残る料理の記憶はたくさんありますが、中でもニョッキが出来上がるまでのワクワクする気持ちは、今も鮮明に覚えています。

それが、あなたの料理哲学のベースになっていたりするのですか?

ウンベルト氏:
そうです、料理は幸せなものであるべきです。

何か素晴らしいものを作った時に、自分自身が嬉しいし、さらにそれで人を喜ばせることができる。そして、そんな幸せな気持ちは伝染すると思っています。

ですので、私の「美味しい」の基準は、自然の素材を使い、その味を引き出したものであること、味のバランスが取れていること、センシビリティ、自分の感覚を生かしたものであること。そういった自然から味を引き出すことに加えて、何よりも食べた人を幸せにすることを大切に考えています。

私自身、食べることが大好きです。素晴らしく調理されたものを食べた時に、なんともいえない幸せな気持ちになるでしょう?そんな感覚を人に与えられる料理を作りたいのです。

ピュアな、素材を引き出した味わい、というのは色々とあると思います。お料理をいただいてみて感じたのは、素材の特徴を最大限エッジを効かせて際立たせ、少ない要素でありながら、バランスが取れている、シンプルでビビッドな料理の印象です。

ウンベルト氏:
イタリア料理は、シンプルです。素材を知り、どのように扱えば一番美味しくなるのかを知ることが最も重要だと思っています。例えば、私はたんぱく質同士を組み合わせることをしません。たんぱく質は主役で、その主役がしっかりとわかる料理を作りたいのです。クラッシックを踏襲したメニューもありますし、自分で新しい味の組み合わせを考えたメニューもありますが、いずれにしても、シンプルなわかりやすい構成にしています。

世の中には、グレーゾーンはないと思っています。正しく食材を扱ってその最上の味を引き出した美味しいものとそうでないもの、白と黒しかないというのが私の考えです。

■17歳で、キャリアスタート。二つ星「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ」へ。イタリアの各地域の料理を学ぶ。

プロとしてレストランで働き始めたのはいつからですか?

ウンベルト氏:
私は、地元のホテルスクールを卒業した後、17歳の時に、当時二つ星だった、「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ(Antica Osteria del Ponte)」に行きました。そこでは、料理の基礎の全てを学びました。エツィオ・サンティン(Ezio Santin)シェフは、素晴らしい感性を持っていて、味のバランスに対する特別な愛を持っていて、料理の基礎以上に、多くのことを学びました。

星付きレストランで働くのは初めてだったと思いますが、大変なことはありませんでしたか

ウンベルト氏:
もちろん長時間労働でしたが、楽しかった記憶しかありません。チームワークを感じながら素晴らしいものを作り上げる体験は、何ものにも変えがたい喜びでした。もちろん、疲れますし、他の人が遊んでいる間も働いています。他の人からしたら、それは面白いと思えないかもしれないですが、私にとっては、特別で自分しか作れないものを作っている感覚そのものが、素晴らしいと思えたのです。

イタリア料理の魅力の一つには、様々な地方に残る郷土料理があげられると思います。各地域の料理をどんな風に学ばれたのですか?

ウンベルト氏:
私自身は北イタリアの出身ですが、南イタリアの料理も大好きです。私は新鮮な食材を常に探していますが、オリーブオイル、トマト、子山羊や鶏肉などは、南イタリアのものが素晴らしい。アンティカ・オステリア・デル・ポンテにいた時には、兵役のため、1年間アマルフィのそばに住んでもいましたから、南の地方料理もよく知っています。それに、イタリアに帰るたびに、南イタリアに行って食材を探したり、地方料理を知るようにしています。

ですので、私の料理は、様々な地域のイタリア料理の影響を受けていると思います。

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