「知りたい」という欲求の積み重ねが、一流料理人への道を切り拓く

玄斎
上野 直哉

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■指摘することは一つに留める、が鉄則。

具体的にスタッフを育成する中で、意識されていることは?

上野氏:
一度、注意したことは、次の日には決して持ちこさないこと。また、注意する時は、終わった後ではなくて、その場でお客様に見えないところで「一言だけ」叱る。それ以上になると、その言葉の信憑性や具体性を説明しはじめて、果ては今回の件とは関係ない部分までヒートアップしてしまったりするものなんです。基本的に、指摘することは一つに留める。これが鉄則です。一つ注意すれば、気付く子は気付く。その方が、何が悪かったのか、どう改善するのか、自分で考えるようになりますから。

それから、チームワークは非常に重要です。それぞれが自分の持ち場を守り、神経を張り巡らせてお客様の呼吸を感じながら、連携プレーを発揮していかないといけません。

また、この店は掛け軸もなければ花入れもないシンプルな店ですから、いわばメンバーの動いている姿そのものが、庭園のような一つの情景なわけです。360度お客様に見られていることを忘れず、丁寧に、リズム良く仕事を進める。仕事の所作が心地よければお客様もリラックスしてくださいます。あるいは、こちらとの対話を求めておられるなと感じたら、お話しさせていただく。一瞬足りとも気を抜けません。

上野直哉 玄斎

■ひたむきに料理が好き、そんな方と仕事がしたい。

常に目配り、気配りを絶やすことなく続ける、大変な仕事ですね。

上野氏:
そうなんです。でもだからこそ、他の職業なら出会えないような国内外の要人の方たちと、カウンター越しに同じ目線でお話しできて、「おおきに」「ごちそうさん」と声をかけていただける、そんな仕事はなかなかないんじゃないかと思います。乗り越えるまでしんどい時もありますが、やり遂げた時の充実感や気持ちよさがとても大きな仕事です。

最後に、採用される時にどのようなポイントを見られているのか、どんな方と一緒に働きたいかを教えてください。

上野氏:
私は面接でも、あまり経歴とか技術のこととかほとんど聞かないんです。世間話がほとんど(笑)。技量レベルは、全く気にしない。料理の腕前は、店に入ってから、現在のレベルに合わせて学んでもらうだけで。まずは、人柄。この人と働きたいかどうか。ただひたすら料理が好き、食べるのが好きなんだなというのは、顔を見たら分かる。最低限の基準といえば、真面目に話を聞けて、あいさつができるというのがクリアできたら良いぐらいです。

ホームページの募集を見て店に料理を食べにきてくれて、「ここで働きたい」と言ってくれるケースもあります。話したり、食べたりしているのを見ると、お箸の運び方や器のとり方、気持ちよく食事ができるか、見ていたら、本当に、料理が好きかどうか分かります。

そういう風に、『玄斎』を楽しんでくれて、自分もこういう料理が作りたい、サービスがしたい、って思ってくれる方と一緒に働けたら、それが一番うれしいですね。

(聞き手:齋藤 理、文:田中智子、写真:久岡健一)

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