ありったけの情熱を注げる目標を見つけた幸せ

スペイン料理 アカ(aca 1°)
東 鉄雄

東鉄雄 スペイン料理 アカ(aca 1°)

■ありったけの情熱を注げるだけの目標を見つけられた幸せ。

今後の展望をお聞かせください。

今後は、スペイン料理に対する認識を高めていけるような店づくりをしていきたいと思っています。和食やフレンチのように多くの人がスペイン料理を志し、勉強してもらえれば、これに勝る喜びはありません。

スペイン料理は、食材をとても大切にする料理です。私がこれまでに訪れた店では、例外なく食材が生かされていました。また、近年のスペイン料理は、二極化が進んでいます。1つが、アート的な感性が加えられ、見栄えがとても良い料理。もう一方が、ソースも飾りもない素朴な料理です。

どちらが優れているというわけではなく、それぞれに良さがあります。どちらもスペイン料理の魅力であり、それだけ懐の深さがあるのが魅力と言えるのではないでしょうか。いろんな楽しみ方ができるのも、スペイン料理の良さだと思います。

どんな風にスペイン料理を楽しんで欲しいですか?

スペインはヨーロッパの中でも特に平和で、人柄もよく、豊かな国です。食べて温かみを感じられる料理ばかりで、みんなで一緒に食事をして楽しむカルチャーが根付いています。

現地では、たとえ三つ星を獲得しているレストランでも、カジュアルな服装のまま楽しむことができます。フレンチのようにジャケットを羽織るような必要はありません。ちょっと力の抜けた雰囲気を、ぜひ楽しんでいただきたい料理です。

その一方で、エンターテイメント性も十分に感じていただけます。奇抜なアイデアも歓迎する姿勢があり、いろんなテクニックを駆使したメニューがそろっていますから、柔軟な発想から生まれたワクワク感も味わっていただけるはずです。

料理人として、これからは今後はどんなことにチャレンジしていきたいですか?

何か1つ、はっきりとした目標を持って毎日の仕事に取り組んでいきたいですね。目標は、どんなことでもいいんです。ただ、目的もなく何となく毎日を過ごすのは、とてももったいないことだと思っています。

目標があるからこそ、今の自分に足りないことや、やるべきことが明確になるのではないでしょうか。その課題を1つひとつクリアすることで、人も店も成長していくのだと思います。逆に言うと、目標がない毎日では成長もありません。

私が今、考えているのは、世界で通用するスペイン料理を育てていくことです。ニューヨークの三つ星レストランのメニューと比べても、自分の料理が特に劣っているとは感じません。今までに培った経験や技術は、十分に世界でも通用すると思っています。

これから料理人をめざす若い人に、ぜひメッセージをお願いします。

料理の仕事は、本当に面白いです。でも、この面白さを感じるまでに乗り越えるべき壁がものすごくあります。多くの人は、その壁を乗り越えられずに、面白さに気づかないまま諦めてしまいます。

私も、料理の世界に飛び込んでから数年は、目標がなく伸び悩んだ時期を経験しました。ですが、自分がめざしたい料理のスタイルに出会った時、あらゆるリスクを承知のうえで「やってみたい」という想いがふつふつと沸いてきました。そうなってしまえば、止めようと思っても止まりません。

料理は、人と人をつなげる不思議な力があります。生産者とつながり、お客様とつながり、料理人同士のつながりが生まれます。料理の世界で活躍したいなら、技術を磨くのも大切ですが、人とのつながりをどうか大切にしてください。人を大切にできる人が、生き残っていく世界だと思います。

(聞き手:市原 孝志、文:上田 洋平、写真:岡 隆司)

スペイン料理 アカ(aca 1°)

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