この一皿で本当に伝えるべきことは何か

CIEL ET SOL(シエル エ ソル)
音羽 創

CIEL ET SOL 食材

■「あのシェフにうちの野菜を使ってもらえた」と農家さんに喜ばれる存在になりたい

大和ふとねぎ、大和まな、ヤマトポーク、サケ科の川魚・あまごといった奈良の食材を使ったオリジナリティのあるフランス料理と、心地よいサービスで少しずつ来店者が増加。2016年12月発行の「ミシュランガイド東京2017」では、一つ星を獲得した。5人のクリエイターによる展覧会「味のカタチ展」、奈良出身の映画監督河瀬直美氏の作品公開記念のパネル展示といった「ときのもり」内のイベントとコラボレートしたコース料理を提供するなど新たな試みも積極的に行っている。

オープン1年も経たずにミシュラン一つ星とはすごいですね。

音羽氏;
多少なりとも結果が出せて少しほっとしましたが、料理を通して奈良の魅力を伝えきれているとはまだとても言えません。サービスの充実も課題で、今春からスタッフの人数を増やしたところです。また、「シエル エ ソル」の運営は石村さんと共同企業を作って奈良県庁からの委託契約で行っているのですが、今年度から館内のイベントの企画・運営も僕たちに任せてもらっています。石村さんや奈良県庁の皆さんと協力して「ときのもり」全体をより盛り上げていきたいと思っています。

音羽創 CIEL ET SOL

今後についてはどのようにお考えになっていますか?

音羽氏:
料理で地域の魅力を伝えるというのは、一朝一夕で実現できることではないので、まずは「シエル エ ソル」の基盤をじっくり作っていきたいと思っています。一方で、やはり、栃木県の活性化につながるような仕事もしていきたいですね。

栃木県には自然豊かで、日光、中禅寺湖以外にも観光資源がたくさんあります。例えば、宇都宮市郊外にある大谷景観公園。大谷石を切り出した岩壁に迫力があり、周囲に流れる川もきれいで、「ここでレストランをやったら面白いだろうなあ」と夢を膨らませています。仮に具体化するとなると、立地的にも資金面でも個人の一存で実現できる話ではなく、行政への働きかけが必要ですが…。

ぜひ実現していただきたいです。行政との連携には「シエル エ ソル」での経験も生きそうですね。

音羽氏:
行政には公平性・透明性が求められるため、事業を進めるにあたって手続きが多いなど、民間とは勝手の違うこともあります。でも、しかるべき手続きを踏み、思いを持ってぶつかっていけば、職員の皆さんが力を惜しまず協力してくれ、民間では難しいスケールのことができると実感しました。

また、東京でやってみて、栃木の食材のポテンシャルも改めて感じています。東京のレストランが全国の良質な食材を積極的に取り入れていけば、産地の知名度アップになり、地域活性化にもつながるはず。僕ももっと腕を磨き、「あのシェフにうちの野菜を使ってもらえた」と喜んでもらえるような、農家さんのブランド力に貢献できる存在になるよう頑張らなければと思っています。

(聞き手:齋藤 理、文:泉 彩子、写真:刑部友康)

CIEL ET SOL 内観

CIEL ET SOL 外観

CIEL ET SOL(シエル エ ソル)

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アクセス
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最寄駅 地下鉄白金台駅
営業時間
ランチ12:00〜13:30(L.O.)※火曜ランチ休
ディナー18:00-20:30(L.O.)
定休日
月曜日