「待つ」ことは「前進」に等しい ー ポジティブな辛抱は次のステージへと導いてくれる

Restaurant NAKATANI
中谷 慎祐

Restaurant NAKATANI 中谷慎祐

■「待つ」という戦略。それだけでも、1000人のライバルが100人に減る

もし、弟子をとられたらどういったことを伝えてあげたいですか?

中谷氏:
たとえしんどい状況でも、とにかく「待つ」ことの大切さを、です。たとえばライバルが1000人いたとする。みんなつらい環境にいるんだから、3ヶ月でも半年でもとにかく「待て」ば、ライバルは500人に減るんです。さらに半年、1年と待ち続ければライバルは300、100とどんどん減って行きます。

でも、辛抱するというと何かこうつらいことを耐え忍んでいるイメージになってしまいます。だから、その先にある明るい希望に向かって「待つ」と考えるのが大事。「待つ」ことは「前進」であり、ポジティブなんです。

その意味で、最近の若い料理人は、辞めるにしてもそのタイミングが少し早い人が多い。もう少しだけ待ってみればその先にあるメリットを手に入れられるはずではないでしょうか。

■現地で感じる、日本人シェフへの期待

フランスで日本人シェフとしてお店を持たれていることには、なにかデメリットはありますか?

中谷氏:
むしろその逆で、日本人のシェフだから食べに来てくれるお客さんもいます。最近では、評価されている日本人のシェフがたくさんいるものですから、彼らの料理を食べてきておいしかったからうちにも来てくれるということもあります。フランス人が日本人のフレンチを食べ歩くなんてこともある時代になってきたんだなと思っています。

なるほど…。最後に中谷シェフの夢をお聞かせください。

中谷氏:
夢というほどほどではないんですけれども、いつか僕の体が動くうちに、フランスの地方のほうでオーベルジュ(※)をやりたいなと思っています。菜園とか畑もあって、ちゃんと動物も自分で飼って…と。全部は難しいと思いますけど、できるかぎり自分で食材を作ってそれを料理にしたいなと。

たまに寂しくなったらパリに帰ってこれるように、パリの近くがいいかな(笑)

※オーベルジュ・・・宿泊設備を備えたレストラン。主に郊外や地方にある。

(インタビュー・文:マエダジュロウ、写真:Yurina NIIHARA)

Restaurant NAKATANI 外観

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