本当にお客様に喜んでもらえる店を目指し、日本人らしい料理を極める

RESTAURANT NANPEIDAI(レストラン ナンペイダイ)
高橋 七洋

RESTAURANT NANPEIDAI(レストラン ナンペイダイ)高橋七洋

■「懐かしき未来」をコンセプトに、ありそうでなかった日本人らしい洋食を追求するお店へ

南平台という特別感のある土地の、特別感のある建物。そこに存在するレストラン ナンペイダイは、どのようなコンセプトで作られたのでしょうか。

石川氏:
コンセプトは「懐かしき未来」。その言葉がしっくりくると思っています。フレンチではない洋食を、日本人の感性で作り上げることを大切にしています。

新しいけれどクラシックで、何だか懐かしくて落ち着くというところがコンセプトです。そしてこの考えは、先ほどお伝えした「ありそうでなかった」という考えにも繋がっていきます。

ナンペイダイができて1年が経ちましたが、その中で大変だったことや、変えてきていることはありますか?

高橋氏:
僕自身は、これまでアラカルト中心の料理をやってきたので、コース料理については正直ゼロからのスタートでした。なので、変えるも何も毎日が新しいチャンレンジで勉強です。ただ、大変とは思っていません。日々の気付きも多いですし、この歳でまだ成長できるというのは、本当に楽しいしありがたいですね。

石川氏:
大変と言えば何でも大変なんですが、捉え方の問題ですよね。大変でもそれを受け入れられる人だけが次に進める。私も「受け入れること」を意識しています。どんなことが起こっても、100%自分の問題として、粛々と受け入れるしかないんです。それが真の自分の成長に繋がると思っています。

「ナンペイダイ」を招待制にされているのには、何か理由があるのですか?

石川氏:
もともと私は、大々的にオープンさせることはしないんです。プレオープンもやらないし、案内状も出さない。今までもそうでした。

実力さえあればお客様は徐々についてくるし、それが一番だと思うんですよ。メディアにバンバン出て急にお客様を引っ張るのではなく、本当に気に入ってリピートしてくださる方で徐々に徐々に埋まっていく。それが理想です。結果的に雑誌などに声をかけてもらうことはあっても、無理に売り込んだりはしません。

今回は特に、ジャンルが洋食で、ある意味私の目の届かない範囲。だからこそ、スタッフもお客様もお互いに安心できる空間にしたいという気持ちが大きかった。

初めてのお店は、お客様もドキドキすると思いますが、我々お店側もどんな人が来られるかわからないのでドキドキしています。お店の雰囲気はお客様が作られるもの。良い悪いではなく、周りの方と全然違う感じの方が来られると、その場にいる全員が変な感じになってしまう。

おかげ様で、私が長年やっている日本料理の「石かわ」「虎白」「蓮」に、お互いに安心できる良いお客様がついてくださっている。だから、その方々の中から、「(ナンペイダイに)行って欲しいな」という方を順にご案内しています。プレオープンはやらないと言いましたが、実は今のこの状態こそが、まさにプレオープン中なのかもしれません(笑)。

ご紹介で来られたお客様がリピートしてくださって、良い感じに埋まっている。良いお客様に支えられています。

すごく良いサイクルですね。確かに、開店してすぐに人が押し寄せても回らないですよね。

石川氏:
これまで「石かわ」などで積み重ねた歴史があるからこそ、全くの初めてとは違う、少しやりやすい形のスタートが切れているんでしょうね。

RESTAURANT NANPEIDAI(レストラン ナンペイダイ)高橋七洋&石川秀樹

■料理は無限大、コツコツ目の前のことに向き合って成長し続けていく

「フレンチ」や「イタリアン」「和食」などと比べると、「洋食」はガストロノミーを目指す若い料理人が飛び込みにくい分野でもあるのかな、とも思います。スタッフの採用などは、どのように考えられているのでしょうか?

石川氏:
今は私の和食のお店からこちらにスタッフを派遣していますが、今後はナンペイダイ独自でも新しい人も入れていきたいと考えています。ここは、洋食だけど和食の要素を学べるのが魅力。

和食はやはり食材ありき。素材の美味しさをいかに活かすかという和食の考えは料理の基本です。素材の活かし方を見極める力は、料理人なら必ず養わなければいけないものですから。

和食の要素や技術も取り入れた中で学びながら、今までとは違う洋食を作っていけるのは良い環境だと思っています。日本人から生まれた洋食を追求したい方と一緒に働きたいですね。

高橋氏:
そうですね。そして一緒に働くなら、チームとしてひとつの輪の中に入って頑張ってくれる方がいいですね。僕も受け入れてしっかり育てるつもりですし、チームワークを大事にできる方と働きたいです。

和食のお店からスタッフが来られているんですね。チームワークを大事にする中で、全然違うカテゴリーの人たちがスタッフでいることのやりにくさはないのでしょうか?

高橋氏:
とんでもない、大変心強いですよ!やはり魚の扱い方など和食の技法はわからないこともあるので、むしろ僕が勉強になります。

石川氏:
高橋シェフが、和食で使われる食材の活かし方をどんどん取り入れてくれたら、料理はもっと良くなっていくと思うんです。彼は本当に勉強熱心で、なにより料理することが好きですからね。50歳を過ぎてもなお、もっと勉強したいというのは素晴らしいエネルギーですよね。

そうなんですね! 30年近いキャリアがあっても料理に対する向上心や情熱は薄れないものなのでしょうか?

高橋氏:
料理は無限大ですから。

まだまだわからないことがたくさんあります。あと何年できるかはわかりませんが、終着点を自分で決めてしまうとそれ以上にはなれないので、あまり考えず、目の前のことをしっかりやろうと思っています。

これまでも、あまり欲を出さないで、コツコツ段階を踏んできました。コツコツとやらなければ、人は成長できない。辛抱強さを大事にしたからこそ、今があると思っているので、これからもそうしていきます。

そして、お客様に、本当に喜んで帰ってもらえる店にしたいですね。お客様に、洋食の良さを感じながら楽しんでもらえる。お客様がお店を成長させてくれて、僕らも成長できる。そんな場にしていかなければと考えています。

(聞き手:齋藤理、文:向井雅代、写真:刑部友康)

RESTAURANT NANPEIDAI(レストラン ナンペイダイ)エントランス

RESTAURANT NANPEIDAI(レストラン ナンペイダイ)内観

RESTAURANT NANPEIDAI(レストラン ナンペイダイ)外観

RESTAURANT NANPEIDAI(レストラン ナンペイダイ)

お問い合わせ
03-6455-3505
アクセス
東京都渋谷区南平台町6-7
営業時間
17:00~21:30(L.O.)
定休日
日曜・祝日
求人情報
レストラン ナンペイダイ求人