誰よりも働き、誰よりも学ぶ。パリ・名門レストランでシェフパティシエを務める、日本人女性の挑戦。

Taillevent(タイユヴァン)
木下 貴美子

Taillevent(タイユヴァン) 木下貴美子

■「まだできないものがある」から出勤前や休みの日も勉強させてもらいに行っている。

夏休み空けも1週間前から1人で出勤していたそうですね。

木下氏:
前もって準備できることをしに行っただけです。今日も仕事自体は休みですが、職場で事務の仕事をしてきました。1皿にいくらかかっているか、その皿がいくつ出たかなど、計算しないとわからないんですよ。パソコンでの作業もありますし、メニューが変わる時には新しいデザートを作らないといけません。

タイユヴァンは2週間に1回昼のメニューが替わるので、なんやかんや2ヶ月ごとに新作を10数種以上は作ってます。さらに毎週「次の木曜、何名様がこういうデザートをご希望です」というリクエストもいつもあります。なので、常に新しいものを考えていないといけません。

前の職場もそうですけど、下にいるスタッフに休みをちゃんと取らせなければいけないですし、シェフである自分がいないのにデザートを出すわけにはいかないので私は休みません。

休暇や週末も他のイベントの手伝いなどをしていたんですよね。

木下氏:
パティシエをしていると世界が狭いので、友達もあまりいませんし、勉強です。いつもとは違うものを見れる。まだできないものがあるから勉強させてもらいに行っているというのもありますし、そっちの方が性に合うというのもあります。

人が足りなかったりして、知り合いが困ってたら、手伝いに行きますよ。ロンドンの店のオープン時に手伝いに行ったときも3ヶ月休みなしでした。

週末に日本食材PRの手伝いに行くこととかは気分転換ですね。

昔から仕事をバリバリこなすタイプだったんですか?

木下氏:
そうですね。まず、仕事が速いんですよ。「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション」では3日働いて3日休むので、3日分だけ用意すればいいので、休み明けて出勤すると何もない状態からのスタートなんですよ。初日は営業しながら仕込みも全部しなければならないので、ものすごく仕事が速くなりました。

それに、時間外に働くことは苦じゃないです。シェフ・ドゥ・パルティ(部門シェフ)やコミ(料理人)は、たとえ人が足りなくても休みの日にお給料ももらわないで働くの嫌がるでしょ。自分のパティスリーを出してるわけだから、自分がやらなしょうがないんですよ。

Taillevent(タイユヴァン) 木下貴美子

■フランスは出来上がり重視。自分のやり方を試せるので力がつく。

リフレッシュ方法は?

木下氏:
とにかく寝ること!休みの日なんか、16時に起きて、ご飯食べて、また寝たりもしてます(笑)

他には友達と飲みに行ったりもします。キュイジンヌやパティシエの友達と、カフェでビール飲みながら、情報交換したりとか。

フランスで働く楽しさは?

木下氏:
フランスでは料理の過程を重視されず、出来上がったものだけで評価されるんですよ。なので、自分独自のやり方でいろいろやらせてもらえるのがいいところですね。そのほうが伸びやすいと思いますし。また、若いシェフでも、上にいろいろと提案しやすい雰囲気があるのもいいところですね。

パティシエとして働くことの良さって何なんでしょうか?

木下氏:
甘いものを食べられること(笑)やっぱり甘いものが好きですから。
他の料理よりも盛り付けの自由度が高いのもいいですね。モンブランの形とかでも自分で好きに考えてOKですし。

モチベーションはどうやって維持していますか?

木下氏:
好きって気持ちと、やらなきゃいけないって気持ちですかね。とにかく新メニューを考えるスパンが短いので、常に追われてます。ただ、タイユヴァンは基本的にクラシック寄りなので、そんなに奇抜なものを作る必要はないんですけど。

でもやっぱり、いいものが出来上がったらとても嬉しいし、それが支えになりますね。

Taillevent(タイユヴァン) 内観

Taillevent(タイユヴァン)

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昼12:15-14:00
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土曜、日曜