同じことをしていては、同じ結果しか生まれない。別の結果を求めるのなら、違うことをすべきだ

ベージュ アラン・デュカス 東京
小島 景

■軽い気持ちでこの道に。辞めたいと思っていた気持ちが徐々に変わっていった

高校卒業後に料理の道を歩まれたそうですが、志そうと思ったきっかけは何ですか?

小島氏:
高校のころは、何にも興味がなくて、まったくやりたいことがなかったんですよ。高校3年のときは、放課後に大学受験のための予備校にも通っていたし、夏休みは都内まで夏期講習を受けにも行っていました。でも、「勉強嫌いなのに、なんでこんなことやらなきゃいけないんだ」と思って、「やーめた」と。受験はやめてしまいました。

そんなとき、たまたま買った雑誌にフランスから帰ってきたばかりの日本人シェフの話が連載されていて、「おお!」と揺さぶられ、「料理人になろうかな」とこの道に入りました。

料理の道に入ってからは、どんなところで働いたんですか?

小島氏:
初めて働いた店は、東京・赤坂の鉄板焼きの店でした。その店は海外に8店舗を展開していて、パリにも店を出していたんです。だから、ここなら海外に行けるかもしれない、という思いもあって入りました。

店には本社の人も出入りしていたんですが、当時、自分は18歳で若かったですから目を引いたんでしょうね、気に入っていただきまして。海外店舗に行くには20歳を過ぎないと推薦してもらえない決まりがありましたが、「小島君のこと推薦してみるよ」なんて言ってもらったんです。ただ、「このままここにいても、鉄板焼きしかできるようにならないよな」と思って、その店は1年くらいで辞めてしまいました。そのあとは、イタリア料理店に移りました。

2店舗目のイタリア料理店は、どんな店だったのでしょう?

小島氏:
本格的なイタリア料理を出す店ではありませんでしたが、やってみたいことには挑戦させてくれましたし、いい店でしたよ。そこの料理長がおもしろい人で、ある日いなくなったと思ったら、イタリアに1年間研修に行ってしまうような。それを許すオーナーも理解がある人でしたしね。

でも、実をいうと、料理の道に入ってから2年くらいは、ずっと「辞めたいなぁ、つまらないなぁ」と思っていたんです。時間の拘束は長いし、先輩はうるさいですしね。

辞めたいと思っていたのに、気持ちが変わったのは、どうしてですか?

小島氏:
イタリア帰りの料理人と知り合う機会があり、彼から海外の話を聞くうちに、ですね。あとは、『専門料理』(※2)の別冊として出版された『現代フランス料理』という全7巻の本を見たことです。

その本はとても画期的で、フランスの有名レストランのキッチンや客席、料理の写真がカラーで掲載されていたんです。そのなかには、シェフたちにインタビューをした記事もあり、彼らの考えや哲学が語られていて、レシピも載っていて。それを見て「すごい!」と衝撃を受けました。それ以降、これまでの気持ちがガラッと変わって、料理に対して、すごく興味を持つようになりました。

※2
プロ向けの専門書などを多く刊行している出版社「柴田書店」発行の料理の専門雑誌。創刊は1966年。

それなりの年になっても、「興味の核」は変わるんですね?

小島氏:
「きっかけ」でしょうね。それさえあれば、変わると思います。

このころから具体的な海外への興味も抱きはじめ、「フランスに行きたい」と思うようになりました。今から考えると、子どものころから、鉛筆削りに刻印された「MADE IN FRANCE」の文字を見て「かっこいい」と思ったりしていて、「外国に行ってみたい」という思いはありましたね。

あとは、父親が海外で働いていたので、英語の絵本が家にあり、アルファベットに対する憧れのようなものが、どこかにあったのかもしれません。就職してからは、職業柄、フランスやイタリアのものに触れる機会も多く、いずれは行ってみたいと思っていました。

フランスへは24歳で渡ったそうですが、そのチャンスはどう得たのですか?

小島氏:
伝手のある人に紹介してもらいました。正直言うと、行ってみたかったのは、フランスではなくイタリアだったんです。店が休みの日にイタリア語学校にも通っていましたし。

でも、「フランスならば紹介できる」ってことでしたから、「フランスならイタリアと近いし」とお願いしたんです。フランス語は、発つ1週間くらい前に『フランス語のABC』みたいな本を買って、「なんとかなるだろう」と日本を離れました。

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