[New] Foodionでのインタビューが書籍になりました!

大切なのは、やり続ける、変わり続けること。レストランにはビジネスに必要なすべてがある

リュミエール
唐渡 泰

025_10A0808

やりたくないと思った仕事が、人生の中で貴重な経験になった。

本日はよろしくお願いいたします。
まずは、料理界を目指したきっかけから教えて頂けますか?

唐渡氏:
小学生の頃から「自分のお店をしたい」という夢がありました。アルバイトなどで触れてきた飲食業、料理を作ることに面白みを感じていたので、自然と料理人の道を選びましたね。
調理師学校を卒業して、進路を決める時に、まずやめておこうと思ったのが、フランス料理だったんです。フレンチは「難しそう。修行が長そう」といイメージが強くて…。

最初に入ったのは、心斎橋の洋食屋さんですね。当時は、「そこで2,3年やれば、自分でカフェでもオープン出来るくらいにはなるかな」という甘い考えでいました。
洋食屋の先輩たちから料理を教えてもらう中で、出てくるのは、「本当はこのソースはね…」「本当はこれはフランスではね…」という言葉・・・。毎日のように聞くうちに、「フレンチをやってみたい」「フレンチではどうやって作るんだろう?」というモヤモヤとした気持ちが湧いてきて、フランス料理の道に入っていくことにしたんです。

若くして有名ホテルの料理長になり、大人気レストランの立ち上げに関わられるなど、輝かしい経歴のように見えますが、ご自身で思い描かれた通りのキャリアだったのでしょうか。

唐渡氏:
もともとホテルに行ったのは、そこの最上階のフランス三ツ星レストランの日本店で働くためです。ホテルの中でも、フレンチ以外やるつもりもありませんでした。
しかし、神戸の震災でホテルも被害を受けてしまい、そのレストランがなくなってしまった。
次に、任されたのはメインダイニングの料理長。いわゆる宴会料理を出すところでした。
辞令だったのでひとまず受けることにはしましたが、やはりレストランで働きたかったので、1年で辞めますと、辞令と同時に辞表も出していたんです。
でもいざやってみると、すごく新しい発見や勉強の連続だった。お皿の中だけを見ているのと、大勢の料理人たちを使って、大量の料理を提供する・・・というのは全然違いました。

私の戦略や指示の出し方次第で、お客様にお出しする料理のクオリティが変わってきます。スタッフをどう動かすか?どうすれば温かいお料理を温かいまま、お客様に提供できるか?料理の手順、スタッフのオペレーションはどうするか?
マネジメントの難しさに、当時、コンクールで優勝したり、賞なども獲って少し天狗になっていた鼻を見事に打ち砕かれました。1年では到底、自分の仕事に全く納得がいかず、結局4年間料理長を務めることになりました。
この時の経験が、ティーサロンやホテルのプロデュースなどビジネス戦略や多店舗経営の礎になっていますね。今思えばとても貴重な経験をさせていただきました。

嫌な事ややりたくないと思った事が、意外と人生の中で貴重な経験になることがある。
私はこの時の事を通して、身をもってそう感じているので、今の子たちにも伝えるようにしています。

053_10A0915

スターを観察する。ぶれない「トップ志向」

常に高いレベルを求めていくつかの職場を経験されていますが、修行時代目指していた料理人像、影響を受けた師匠などはいらっしゃいますか?

唐渡氏:
若い頃から意識していたのはトップを見るということです。料理雑誌に出ているシェフには憧れもありましたし、自分が勤める調理場の中でも、トップの人はスターでしたので、スターの姿を見ていました。
何故この人がトップなのか?、トップシェフはどんなインスピレーションで仕事をし、メンバーにどういう発信するのか?など、常に観察していましたね。
さまざまな先輩方と働いて、優れた料理人にたくさん出会いましたが、驚くほど、みんな全くタイプが違うんですよね。性格もやり方も。それで最終的には、自分のやり方で良いんだなと思うようになりました。

やはり若い時から、いつか自分がトップに立ってお店をやることが頭にあったからこそ、そういう視点で学んできたのでしょうね。
これまでに一番大変だったことは、どんな事ですか?

唐渡氏:
修行中はやはり辛かったですよ。最初の一年は毎日辞めたいと思っていました。なんでこんな理不尽なことで怒られないといけないのかと。こんなに頑張っているのに、なぜ報われないんだと。
ただ・・・、それより何千倍も辛かったのは、40歳で自分のお店を出してお客様がまったく来なかった時です。自分を全否定されている気分になり、人生で一番辛かったですね。
修行中は、怒られて辛かったとしても命を取られるわけではありませんが、開業して失敗したら生活していけないということ。人生がかかっているんです。
修行中の辛さは、後になって思えば、いざという時に試練を乗り越えるためのトレーニングでもありましたね。

リュミエール

お問い合わせ
06-6251-4006
アクセス
〒542-0083‎ 大阪府大阪市中央区東心斎橋1−19−15 UNAGIDANI-BLOCK 3F
地下鉄御堂筋線「心斎橋」駅2番出口徒歩3分
営業時間
[火・金]
17:30~22:30(L.O.21:00)
[水・木・土・日]
11:30~15:00(L.O.14:00)
17:30~22:30(L.O.21:00)
定休日
月曜日