調理場に立てるだけで嬉しい、それが全て、継続の源。

wasabi
今木 貴子

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■敷かれたレールから大きく外れた20代。

この世界に入られたきっかけはありますか?

私の若い頃は、短大や大学を卒業したら良妻賢母になって結婚するのが普通で、「結婚適齢期は23歳ごろ」と言われていた時代。結婚しないと「あの子は一体どうしたの?」と異端扱いされるような、そんな時代でした。そして私も、学生時代からお付き合いしていた方がいましたので、そのまま結婚しようと考えていたんです。でも結婚の話が進むに従って、どんどん不安が募ってしまって…。結局、結婚直前でドタキャンすることになってしまいました(笑)。今までは敷かれたレールの上を来ただけで、自分の考えは何も無かったのですが、その時に初めて「自分は一体、何ができるんだろう?」「何が好きなんだろう?」と真剣に考えるようになったのです。

何がしたいか考えた末に浮かんできたのが「綺麗なお菓子やお弁当を作ることがしたい!」という気持ちでした。私は親と同居していましたが、親が商売をしていたこともあって、台所はお手伝いのおばさんが仕切っていて、日々のメニューも年配向けの渋い料理ばかり。でも親が古書店を経営していましたので、美しい洋書の料理本や可愛いお菓子の本をよく目にしていて…手作りのお菓子とか、可愛らしいお弁当にずっと憧れていたのです。でも家の台所はお手伝いさんのテリトリーですから、行っても弾き飛ばされちゃって…(笑)。そこでずっと憧れていた料理の道へ進むことを決め、昼間は会社でお勤めし、学費を稼ぎながら辻調の夜間部に1年半通って勉強をしました。

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■仕事の募集も無い、女性に厳しい時代

当時は女性で飲食業界に入るのは難しかったのですか?

学校を卒業して就職活動ということになり、進路指導の先生に「日本料理がしたい」と相談しましたが、女性スタッフの募集は皆無でした。それでもどこかに調理に携われるお店がないかと必死に探し始め、たまたま見つけたのがカフェバーのアルバイトでした。そこはインテリア会社さんが内装や椅子、食器など全てをトータルコーディネイトした、モデルルームを兼ねたショップ。店の経営はそのインテリア会社の奥様がされていたので、飲食業界では珍しい女性の料理人ということも違和感なく受け入れてくださって「一緒にやりましょう!」と言ってくださったのです。そこで私が厨房に入りカフェ風のランチを作ったり、夜はダイニングバーとしておつまみを作ったり…という感じで4年程務めさせていただきました。

でもその店が閉店するということになりましたので、じゃあせっかくならこの機会を活かして、イタリアンとかフレンチとか海外の料理を勉強しよう!と考えました。実は辻調に通いながら「いずれは自分と何人かのスタッフがいる、小さなお店をやりたい」と夢に描いていたのですが、じゃあどんな料理を提供するのか?という答えがまだ出ていなかったので、いろいろな料理を学んで自分がやりたいこと、できることを見つけたいと思ったんです。

フレンチもイタリアンも全く未知の世界で、色々とあたったのですが、何の当てもなく…一体どこに行けばいいんやろう?と悩みました。そこで辻調のフランス校へ出向いて先生に相談したところ「フランス校は少数精鋭で、寄宿舎で共同生活しながら学ぶ厳しい世界。女性がハードなカリキュラムについていくのは無理」と言われてしまいました。でも先生に無理やと言われたのが逆に悔しくて…。「そんなはずはない!できます!」と無理を言って、フランス校の秋のコースに入れてもらえることになりました。

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