料理を愛し人を信じる。この道57年、生涯現役を貫く料理人の心意気

かが万
坂 博雄

かが万

■73歳、止まらない情熱

「かが万」以外にも、東京や京都で広く活動を行っていますよね。どんなスタンスをお持ちなのでしょうか?

坂氏:
「かが万」以外の活動としては、資産家の方々などからお話をいただいて、東京・大阪でおでんの店などをプロデュースしたり、三十代の半ばには広島の飲食店グループ企業の料理顧問も手掛けていました。
それらの大前提として、日本料理以外は絶対に考えていません。もちろん他ジャンルを食べるのは好きなんですが、作る上では専門家にならなくてはと思います。
プロデュースは確かに大変なんですが、私はその分燃えるタイプです。あと、ご老体扱いされるのに腹が立つので、何か新しくチャレンジしてやろうと思いまして(笑)
そういった活動を通して他の人の知恵から「なるほどな」と思うこともあり、勉強になりますね。
広島での顧問の際には、お教えした方々が最初は保守的だったのですが、16年間の料理顧問としての活動を通して私の方に目を向けてくれるようになり、おいしい料理ができるようになり、やりがいがありました。

御年73歳にある坂さんですが、引退は考えていますか?

坂氏:
考えていません!毎日お客様の前で包丁を握るわけではありませんが、今でも味のチェックは欠かしません。もしも食に興味がなくなったら料理人としてお終いだと思いますし、自分から仕事を取ったら何も残らないと思う。頭の中では生涯現役です。楽しいからできるんだと思います。

仕事一筋といった印象を受けますが、趣味はありますか?

坂氏:
歌舞伎を観に行くのが好きで、スーパー歌舞伎なんかにも行きます。あと、シルク・ド・ソレイユも好きで、「コルテオ」の大阪公演は8回も見に行きました。「なるほど!」「こんなに喜ばせるのか!」とハッとさせられることも多くて、良い勉強になります。店づくりにおいても、いくら料理がおいしくてもサービスが悪ければだめですから。やっぱり、サービスというものが好きなんでしょうね。
学ぶという意味では、自分の店の料理を食べることも重要です。他の店の料理を食べることに気を取られる前に、自分の店の料理を食べてみて、ちゃんと値段に見合う価値を提供できているかを考えなければなりません。

かが万 坂博雄

■日本料理界の重鎮が送るメッセージ

飲食業界を志す若者に向けてのメッセージをお願いします。

坂氏:
大切なのは、好きになることです。
スマートじゃなくたって、泥臭くたって良いんです。どれだけ料理を好きになれるかが大切です。
どんな料理でも基本は古典なので、それを大切にして、日本料理なら日本料理、中華なら中華など、一つの道を定めて専念してやっていってほしいと思います。そして、「こんなに日本料理っておいしかったんだ!」「ごはんはこんなに旨いのか!」というのを目指していってほしい。時間はかかるけれど、食べることを好きになって、楽しみつつがんばってくださいね。

(聞き手:市原 孝志、文:高瀬 真倫、写真:能谷わかな)

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