[New] Foodionでのインタビューが書籍になりました!

ホテルから転身、活躍の場を街場のフレンチレストランへと変えたシェフ

レストラン ディファランス
藤本 義章

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■勉強が嫌だった学生時代。できることを探したら料理だった

小さいころから料理の道を目指しておられたのでしょうか?

藤本氏:
いえいえ。実は、子どもの頃は何となく教師になりたいと思っていました。

もともと、両親が共働きで、母親が「男の子も家事ができんとあかん!」と言って、イヤイヤながらも家事をさせられてました。ただ、食事づくりは嫌いではなかった。高校時代は友達を家によんでご飯をふるまったり、スパイスからカレーを作ったりしていましたからね。

高校に入ったら勉強がイヤになって。寿司屋のバイトばっかりしていました。勉強もしなかったし、大学へ行くのに学費を出してもらうのも申し訳なくって。それじゃあ自分は何ができるかな?と考える日々。

そんな中、寿司屋のバイトでは他の子たちがさせてもらえない巻きずしを巻く仕事をさせてもらったりしていたのでちょっと調子に乗って(笑)。それで初めは調理師の専門学校に行こうと思った。でも、調べると、大学に行くより学費が高いことがわかったんですよ。これは難しいな、と思って進学はあきらめた。それで、ホテルマンだった父に相談して、ホテル日航大阪に入れてもらったんです。言ってみれば、コネ入社です。

それでは、やる気満々でホテルに就職されたわけではなかった?

藤本氏:
正直申し上げると、実はそうなんです。入社して4,5年は鉄板焼レストランにいました。でも、目標とか何もなくって、同期は調理師学校を出ている年上ばっかりでしたし、とにかく最初の半年は怒られないようにするので精一杯。調理なのに、僕は自分の包丁も持っていなかったですからね(苦笑)。当時は、「とにかく両親には迷惑をかけてないようにしよう」という気持ちで、毎日仕事をしていました。

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■先輩に話を合わせたことが、フレンチの世界へ入るきっかけに

経歴からは、最初から前のめりに料理に取り組んでおられたかと思っていたので、意外でした。それでは、いつからフレンチの方へ?

藤本氏:
高校時代もバイト同士より社員の方と仲良くしているタイプだったんですが、ホテルに入ってからも上司に誘われたら喜んでついていって、かわいがってもらっていたんですね。目上の方と仲良くするのは嫌ではないんです。ホテルの野球部に入っていたりして、そこでフレンチのスーシェフだった先輩と仲良くなりました。

ある日、その先輩に「お前、フレンチがしたいんちゃうの?」って言われて。本当はそうでもなかったんですけど、その先輩のことは好きだったんで思わず「やりたいです!」って答えてしまいました(笑)。今にして思うと、大きな分岐点です。

それで23歳でフランス料理の道に入られたんですね。そこから本腰を入れてフレンチの世界に入っていったんでしょうか?

藤本氏:
いや、それが、フレンチに移ってみたら、またしてもまわりについて行けない。たとえば、一つ上の先輩が自分で新メニューを考えていたり、料理名や料理法でも知らないものがたくさんあって。言われた料理器具の名前なんかもわからなくて。「ついていけねぇ…」って心が折れたんです。
ただ、入れてくださった先輩の手前、辞めることもできない。その先輩が気にかけてくれるのでなんとかやっていた感じです。

どん底のスタートですね。どのように乗り越えられていったのでしょうか?

藤本氏:
当時はしょうもないプライドがあって同期に訊くのは悔しいし、先輩は忙しくて訊けない。それで徹底したのは、専門書を読むことと、徹底して周りを観察すること。

最初は、職場で新メニューを出す番がまわってきた時に、有名レストランのシェフの本からレシピを見て、そのまんま作ったのを出す。

でもやっぱり技術も知識もないので何度も失敗したり、怒られたり。新メニューはみんなに説明しないといけないんで、そういう時は胃が痛かったですね。でも、その繰り返しの中で、やがてそれが自分の料理になっていった。

そのときの癖で、今でも料理本はコレクターみたいに集めてしまいます。ただ、当時と今では見るところは違ってきましたね。最近は、素材の組み合わせとかデッサン、盛り付けとかを見るようになって、今でも何か一つでも「お!」というページがあればOK、という感じで買ってしまいます。もしかしたら、本屋に並んでる大体の本は持っているかもしれません。

本を読むというのは大切なんですね。周りを観察した、というのは?

藤本氏:
これは、もう料理の技術とかそういう話ではないのですが、「ああしたら怒られるんやな」「こうすると誉めてもらえるんやな」というのを徹底的に観察していった。そういうツボは、人によって違う。だから、そうした一人ひとりに合わせた付き合い方を見に付けたことで、だんだん職場が楽しくなっていきました。
それで仕事を覚えたというのもあるし、かわいがってもらえたことで同期ができないことをやれるようになった、学びの機会が増えた、というのもあると思います。

レストラン ディファランス

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