当たり前と感じずに創造し続けること。失敗から学び挑戦する姿勢を恐れないこと。

Dominique Ansel Bakery
ドミニク・アンセル(Dominique Ansel)

あなたのレシピ本「DOMINIQUE ANSEL:The Secret Recipes」を読ませていただきました!

ドミニク氏:
わお!本を買ってくれたんですね!そのレシピ本には「 クロナッツ(Cronut)®(※1)」はもちろん、シンプルな食材だけで作るオリジナルスイーツの作り方も書いてあるんです。その青いカバーは「イギリス版」ですね。残念ながらまだ日本語版はないのですが、どこか翻訳・出版をして頂ける所があれば、すぐにでも出してもらいたいと思っています(笑)。

※1「クロナッツ(Cronut)®」 以下「クロナッツ」
ドミニク・アンセル氏が考案した、クロワッサンとドーナツを融合させたハイブリッドスイーツ。何層にも重ねたクロワッサン風の生地(秘伝のレシピ)を作り上げるには、3日の工程を要する。SNSで瞬く間に世界中で言及されたペイストリー。

自身のお店を持ちわずか6年。史上最年少で「The World’s Best Pastry Chef 2017(世界の最優秀パティシエ賞2017)」を勝ち取った時のお気持ちはどうでしたか。

ドミニク氏:
常日頃、世界中の皆さんが喜ぶ商品を作れるように意識して取り組んでいましたが、まさかこの賞を受賞するなんて夢にも思っていませんでした。この結果は私一人の力だけでは決して至ることはできなかった。いつも私を支えてくれたニューヨーク、東京、ロンドンのチームサポートはもちろん、様々な刺激やインスピレーションを与えてくれるカスタマー(お客様)のおかげだと感謝しています。

■「自身の仕事を愛すること」。それを教えてくれた恩師との出会い。

どうしてペイストリーシェフいう職業を選ばれたのですか。

ドミニク氏:
私には兄弟が4人いることもあって、両親にそこまでのお金がなく、家族を養う為に仕事を見つける必要がありました。パリの北部にある故郷のボーヴェ(Beauvais)にて、レストラン「Cour et Jardin」で仕事を見つけて、16歳ですでに厨房で働き始めていました。それと同時に街の小さな料理学校に通い始めたり…。ペイストリーシェフになることへの興味は、時間が経つにつれて大きくなっていきました。

そこがキャリアの始まりだったのですね。

ドミニク氏:
当時は1年に渡って、トイレ掃除をしたり、床掃除をしたり、皿を洗ったりの毎日でしたから、まさか自分がこの職業をこんなに好きになるとも思いませんでしたし、この仕事を続けていくとも思いませんでした。

実は2年目にそのレストランのオーナーが変わりました。彼はフランスのミシュランで星を獲得したレストランで副料理長を務めていた人で、とても情熱を持っていました。彼はペイストリーシェフとしての技術はもちろん、何よりも「自分の仕事を愛すること」を教えてくれたんです。この頃からこの職業を好きになっていったのだと思います。

■ミリタリーサービス(徴兵制度)としての経験。一からの再出発や「フォション」で続けた努力。

ドミニク氏にとってペイストリーシェフを目指す一番のきっかけが、その方だったわけですね。それからはどういったキャリアを積んでいったのでしょうか。

ドミニク氏:
ホームタウンで4年働いた後は、1年ほど南アメリカに出兵していました。当時は徴兵制度があり、出兵することが義務付けられていたんです。フランス領のギアナという国で、学校やレストランに向けた先生として、今まで培ってきた調理技術を教えていたんですよ。ほとんどの食材はあまり美味しいとはいえない缶詰か、真空パックされた物だったのですが、地元の食材を使用するチャンスがありましたね。

それが終わって、故郷のフランスに帰ってきた時、私には働く場所も何も残っていませんでした。

また一からのスタートだったと。

ドミニク氏:
フランスに戻った後は、ペイストリーシェフとしての仕事を探しにパリの市内に向かいました。何故ならパリには最高のベーカリーがある、と昔から知っていましたから。

当時は今みたいに魔法のような携帯電話がなかったので、毎日ホームタウンから70キロ離れたパリに向かい、地図でベーカリーを探してはそこに自分の履歴書を配って回っていました。

それをずっと繰り返していたおかげか、結果的には8つものオファーをゲットできたんですよ!その中からパリで最も古いパティスリー(100年以上の歴史を持つお店)の一つである「ペルティエ(Pâtisserie Peltier)」でお世話になると決めました。そこで1年勤務した後に、「フォション(Fauchon)(※2)」で働けることになったんです。

※2「フォション(Fauchon)」 以下「フォション」
1886年の創業から現在に至るまで、常に最高品質の素材を追い求めて1世紀あまり、フランス国内はもとより世界のグルメの賞賛を浴び、美食のブランドとして輝き続けているベーカリー。

再出発からわずか1年でフランス老舗ベーカリーの「フォション」で働いた、と聞くととても凄いことのように思います。

ドミニク氏:
実はそんなに凄いことではないんです。休みの繁忙期に向けた9月~12月までの一時的な契約として雇われただけですから。私はそういった30人余りの働き手たちの内の一人でした。

彼ら(フォション)は私たちに「この4ヵ月で3人を正式に雇う」とだけ伝え、その期間はまるでコンペティションのようでした。試用期間中はそれこそ努力を重ねて、最終的に30人の中から正式に雇用されたのは私だけでした。

たった1枚の切符を手にしたわけですね!他の29人とは何が違っていたのでしょうか。

ドミニク氏:
完璧主義者で細かい性格のおかげですかね(笑)。

でもその他のスタッフも自分のお店を出したり、それぞれの道を歩んでいきましたよ。

フォションで最初はパティスリースタッフとして働いていたのですが、その6ヶ月後にはシェフを任せて頂きました。そして24歳の時にはスーシェフ(副料理長)に。この時に上に立つ立場としての責任感など、沢山のことを学びました。
最終的に100人近くのスタッフを統括する立場になっていて、それと同時に店舗の海外展開を任せて頂きました。世界各国にフォションのお店をオープンさせる為、世界中を飛び回っていましたよ。セミナーや勉強会を開催したり、各店のクオリティチェックもしなければなりませんでしたし。

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