どこで誰と働いたかよりも、自分のパティスリーの世界を築いていくこと。自分の作品を作っていくことが重要。

Arnaud Larher
アルノー・ラエール

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■デパートの催事ではチョコレート3000箱が初日で完売

日本にも来春お店を出すという計画があるとお聞きしましたが、シェフのご希望だったのですか?

ラエール氏:
日本側から提案がありました。これまでにも伊勢丹から要望があり、10年前から伊勢丹に卸しています。日本で本格的に展開して欲しいという日本企業からの提案は何度も受けていたのですが、これまではあまり具体的なものではなかったり、実現には至らなかったりでした。
伊勢丹とも、サロン・ド・ショコラの際、オーダーがあった分では足りないことはわかっていたのにそれ以上納入する権利を与えられず、3年連続初日に完売、残り6日間は他のブランドにお客さんが流れる状態になっていて、私は満足していなかったのです。デパートのイベントでは2000から3000箱を一日で売っていたのですが、その先がなかったのです。

私は販売するならもっとしっかり売っていきたかったのですが、初日で完売となりチャンスを活かすことが出来ませんでした。催事参加では不十分、自分の路面店を持たなければ 、という思いが強くなっていました。

初日にそれだけの量が捌けるということは、路面店を持たなくても日本で知名度が既にあるということですね。

ラエール氏:
初日と言っても、インターネットの先行予約で当日までに既に売り切れていたのです。それがわかっていても追加納入できないというもどかしさがありました。10年前は「おめでとうございます」と言われて嬉しかったですが、私にとっては初日に来たお客さんでさえ買うことができないという状況はフラストレーションでした。

売れるのに、売りたい量を置いてもらえない。追加注文を入れてはくれるのですが、フランスから現地に送るのに4日かかるというハンディがあり、更にその追加注文分の500箱がまた15分で完売してしまう…。
なので今は自分のお店をオープンするという新しい冒険にとてもワクワクしています。

パリではモンマルトルだけだったのをサンジェルマンデプレにもオープンして現在3店舗ですね。もっと拡大していくご予定ですか。

ラエール氏:
パリはモンマルトルの本店を今月リニューアルオープンしたばかりです(2016年8月)。二週間後にはドバイのデパートにコーナーを設けます。他にはギリシャのアテネでもホテル・グランド・ブルターニュというパラスホテル(※1)を始め3つのレストランのデザートメニューをプロデュースしていて、10月にはホテル内にショコラティエをオープンする予定です。それも彼らからコンタクトがあって始めたことです。今年はパリ・ドバイ・アテネ・東京のプロジェクトがあるのでそれぞれうまくいくように力を注ぎます。

※1 パラスホテル=フランスのホテル格付け最高位。2016年現在パリで8軒のみ認定を受けている

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■伝統的なお菓子を作る地元のパティシエから情熱を受け継ぐ

これまでのキャリアについてお話を伺いたいのですが、パティシエになりたいと考えたのはいつ頃からでしたか。

ラエール氏:
幼少期からの夢でした。いろいろなものを混ぜると何かが出来上がるというのが素晴らしいことに思えて。オーブンに入れて膨らむことや、卵白を混ぜて泡にすること、そして作ったものを全部味見できること。とても食いしん坊な子どもだったので、お母さんが週末にガトーブルトンを作るときいつも一緒に作っていました。混ぜて変化していくという工程が不思議でならなくて、どのように完成するかいつも楽しみでした。ですから、幼いときから就きたい職業として意識するようになりましたが、実際職業にしようとすると両親はあまり乗り気ではありませんでした。勉強、もっと勉強を続けろと他の多くの親と同じことを言っていました。

ブルターニュのブレストご出身とのことですが、パリブレストはスペシャリテなのですか。

ラエール氏:
そうです、パリブレストと、あと特にボンボンキャラメルです。うちのお店にも置いています。あとはクイニーアマンとガトーブルトン、ガレットブルトンヌ。それだけですね、それだけでも結構ある方ですね。

中学卒業後にお菓子の世界に入ったのですか。

ラエール氏:
16才から研修を始めました。ブレストで、とても伝統的なお菓子を作るムッシュ・ミッシェル・ギエルムのところで働きました。本物のジェノワーズ、本物のクレームパティシエールの作り方などを、シンプルなものでもしっかりちゃんと作る人で、そのお菓子がとても美味しかったんです。私は彼の情熱を受け継いで、この職業に夢中になりました。 そして、もっともっともっとお菓子の世界を深めていきたくなった。彼は私に「君はモチベーションが高いしすぐ何でも習得するけど、ブレストに留まっていたらいつか飽きてしまう。成長が止まってしまう。パリに行きなさい」と。それでパリに来てケーキを見て歩いたら「ワオ!」ですよ、びっくりしました。18才のときですね。

Arnaud Larher

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