[New] Foodionでのインタビューが書籍になりました!

最高のものは、良いことも失敗も全ての経験から引き出すことが出来る

Hôtel Plaza Athénée Paris
アンジェロ・ミュザ(Angelo Musa)

■誰と一緒にするのかというのはとても重要

エグゼキュティブシェフのお仕事というのはどういうものですか。

ミュザ氏:
いくつものコンセプトの違うレストランやカフェやバーに、季節折々の、パラスホテル(※1)ならではのデザートをクリエーションしています。
※1 パラスホテル=フランスのホテル格付け最高位。2016年現在パリで8軒のみ認定を受けている

ここには三つ星アラン・デュカス(Alain Ducasse)のレストランの他に、ブラッスリー「ルレ・プラザ(Le Relais Plaza)」、 「ギャラリー(La Galerie)」、「ラ・クール・ジャルダン(La Cour Jardin)」、 「ラ・テラス・モンテーニュ(La terrasse Montaigne)」、「ル・バー・デュ・プラザ・アテネ(Le Bar du Plaza Athénée)」とルームサービスといった多岐にわたるセクションがありますが、そのデザートのクリエーションを統括しています。
季節ごとのデザートの他にイベントに合わせて、ビュッシュ・ド・ノエル(Bûche de Noel)やガレット・デ・ロワ(Galette des Rois 1月に食べるアーモンドクリームが入ったパイ)、イースターなどのお菓子も作ります。

他では見られないような、美しい、気の効いた、味がとても美味しいものが求められています。

見た目がいいものを作るのは簡単ですが、味が一番大事です。本当に美味しいものを作るのは職人としての高い技術や経験が必要です。

月10日、プラザアテネでのクリエーションにあて、残りはコンサルタント業をしているということですが、パティスリーのコンサルタントとはどのようなことをするのでしょうか。

ミュザ氏:
あるフランス企業がメキシコでパティスリーをオープンする手伝いをしに行ったばかりです。新商品の提案もしますが、コンサルティングで多くの時間を費やすのは、そのお店で既に存在している商品を、より美味しくより魅力的にする手伝いです。

今週行った店も、その店のガトーショコラの甘さのバランスを整えたり、食感をより滑らかにしたり、その店の商品のエスプリはそのままに、質を向上させました。私がとてもやりがいを感じるのは、その店のオーナーが改善したケーキを食べて、ずっと美味しくなったと喜んでくれる時です。

その他にはフランス企業が海外に進出や輸出するとき現地で売るための商品のアドバイスもします。

どのようなことを基準に仕事を選びますか。

ミュザ氏:
誰と一緒に働きたいかということを大事にしています。もうこの職業を初めて27年になり46才になります。いつも新しい挑戦がありますし、その度に全てイチから問い直さざるを得ないということもあります。

喜びを感じながら仕事をしなければなりません。自分が幸せで、お客さんにも喜んでもらい、ホテルの責任者にも喜んでもらう。

そして責任者が求めていたものを私が実現できると証明しなければなりませんし、お客さんが求めているものを私が与えなければなりません。だからこそ誰と一緒にするのかというのはとても重要なことです。

■素晴らしい出会いが次のステージに繋がる

パティスリー・デ・レーヴは本当に話題になりました。パリに4店舗、日本にも進出していますし、ミラノやアブ・ダヴィにもありますね。成功の秘訣は何ですか。

ミュザ氏:
フランスガトーのクラシックをしっかり踏襲し、現代風に提案していることです。フランスのクラシックの味を再確認することができるということが軸になっています。
パリ・ブレスト、タルトタタン、タルト・シトロン、エクレア、そういったクラシックを、このパティシエという職業の進化、技術の発達、より良い食材、最新のマテリアルによって最高のスタイルに仕上げていることです。シンプルさにもこだわりました。

フィリップ・コンティッチニ(Philippe Conticini)、ティエリー・テッシエ(Thierry Teyssier)、そして私を含めた3人のチームで作りました。
フィリップ・コンティッチニは私の人生で出会った素晴らしい人の1人です。
パティシエ世界大会フランスチームの監督を務めていたのでそこで出会ったのですが、彼は1994年にヴェリーヌを使ったデザートを打ち出して有名になり、「ペルティエ(Peletier)」で活躍していました。
彼の書いたパティスリーの本は世界のシェフの本のコンテストで2009年に優勝しています。
そして彼が、ティエリー・テッシエ(Thierry Teyssier)を紹介してくれて、この3人でオープニングから5年間一緒に働きました。

その中で、私のビジネスは日本でも広がっていきました。
パティスリー・デ・レーヴを京都と大阪に進出させることができました。

その後パティスリー・デ・レーヴを離れメスのブルギニョン氏(ミュザ氏の師匠にあたる方)のところに戻り、2年働きました。

それからはコンサルティングと講師の仕事に専念し、今年デュカス氏に呼ばれてここに来たのです。

プラザアテネでのお仕事はどうですか。

ミュザ氏:
今は新しい仕事を与えられて小さい子どものように興奮しています。とてもいい待遇で受け入れてもらえて、まず、場所が魔法がかかったような素晴らしいところですし。パティシエにとってはこのような舞台は最高の冒険です。子どものようにいろいろなことが面白くてたまらなくて、この職業が大好きだといつも感じています。

日本ではパティスリー・デ・レーヴ以外でも広く活躍されていますね。

ミュザ氏:
フランスのチョコレート会社の日本進出イベントや、日本の調理師学校で教えています。2003年に世界パティシエ選手権で優勝したときにヴァローナチョコレートが日本ツアーを企画して初めて日本に行きました。初めて行ったとき鳥肌が立ちました。それからというもの毎年訪れています。機会があったら日本でパティスリーを開いたり、何かしら日本で仕事をする機会があったらいいですね。

Hôtel Plaza Athénée Paris

お問い合わせ
+33 1 53 67 66 65
アクセス
25 avenue Montaigne, 75008 Paris FRANCE
Alma-Marceau駅、Franklin Roosevelt駅(メトロ9、1番線)
営業時間
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定休日
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