Foodion │ 一流シェフ・料理人のプロフェッショナル論。

大切なのは考え続けること。自分のセンスを磨き続けていきたいという情熱を持ち続けること

Arpège
アラン・パッサール(Alain Passard)
かつて「肉の魔術師」と呼ばれたアラン・パッサールだが、2002年から自身の菜園を持ち、昔ながらの農法で育てた野菜中心の料理を打ち出した先駆者となった。昨今ヘルシーな料理が注目されるようになり、更に注目を集めている。2016年、三つ星を獲って20年、アルページュ(Arpège)を開いて30年、そして60才を祝ったシェフにお話を伺った。

Photo by Stephanie Fraisse

自分のセンスを築き上げていきたいという考えでいること

三つ星を維持して20年になります。三つ星を維持できているのはなぜだと思いますか。

パッサール氏:
クリエイティビティでしか料理はできません。クリエイティビティがモチベーションです。画家も彫刻家もミュージシャンもダンサーも同じです。アイデアが常に1つ2つ浮かんでいなければクリエイティブではいられません。

星は、クリエーションに与えられるものです。インスピレーションはもちろん菜園でもありますが、音楽、アートなど、クリエーションはどこからでも生まれるものです。あちこちでエッセンスを見つけることができます。

建築からもアイデアを得ることができます。大切なのは考え続けること。考えない料理人はエネルギー源が欠けているようなものです。考えない人は灯っている火が消えたも同然、考えない料理人も消灯状態です。探し、考え、探す。野心が必要なのではありません、自分のセンスを磨き続けていきたいという情熱を持ち続けることです。

 

料理のインスピレーションはどのように得ていますか。

パッサール氏:
料理以外にも、デッサンを描いてる時、音楽をしている時など、手先を使うことでインスピレーションが湧いてきます。ここにあるアート作品はすべて自分で作ったものです。ブロンズも、水彩画も、椅子も。アトリエを持っています。買ったものはありません。

 

料理人としてのキャリアはどのようにスタートしたのでしょうか

パッサール氏:
おばが料理好きでテリーヌやロティをよく作ってくれていました。おじが彫刻家、父がミュージシャンで、母が洋服のデザイナーでした。手を使った仕事、アートが身近にあり、わたしはそれぞれの職業をよく観察していました。

そういった家庭での影響があって、わたしも手で生み出す仕事をしたいと思い、14才で料理の職業をすると両親に宣言し、「リフレ(Liffré)」のミッシェル・ケレヴァー(Michel Kéréver)のもとで修業することになりました。
わたしの料理人としてのキャリアはそこから始まりました。

その地方にはそれほど星つきレストランはありませんが「ロテルリー・デュ・リオン・ドール(L’Hôtellerie du Lion d’Or)」はおそらく界隈で最高のレストランでした。素晴らしいソース師とロティ師(蒸し焼きした料理のこと)がいました。
ミッシェル・ケレヴァーが私の感覚を研ぎ澄ませてくれました。私の根っことなる経験です。

その後、ランスの「ラ・ショーミエール(La Chaumière à Reims)」ジェラール・ボワイエ氏(Gérard Boyer)の元で修行しました。
後に三つ星を獲ったレストランです。前の職場と同じで、人間的な温かさのある場所でした。そこで火入れや味付けについて、テリーヌについて学びました。

 

Photo by Pauline Le Goff

人と違った料理の見方をすること

アラン・サンドランスさんに会うのはその後ですね。

パッサール氏:
彼はパリで注目の的でした。これまでクラシックな料理をするところにいたのですが、融合を学びました。鴨とオマールとマンゴーを合わせるような斬新なメゾンでした。今でもやりとりは続いていて、私が三つ星を獲ったときには最初に連絡をとりました。彼は泣いて喜んでくれました。

 

アラン・サンドランスさんからどのようなことを学ばれましたか。

パッサール氏:
クリエイティビティについて、オリジナリティについて、人と違った料理の見方をすることを彼を通じて学ぶことができました。彼はこれまでのしきたりに変化をもたらすことができる人です。未来を予見し、料理とワインを合わせることに大きな貢献をしました。さらに、皿の上でのハーモニーによって人を驚かせることができる人です。

彼の仕事はこの上なく繊細です。そしていつも先駆者ならではの視点を持っていました。革新的なことをいつも考えていました。70年代では革命的な哲学の持ち主です。

Arpège

お問い合わせ
+33 1 47 05 09 06
アクセス
84 rue de Varenne, 75007 Paris FRANCE
Varenne駅(メトロ13番線)
営業時間
12:00-14:30、19:00-22:30
定休日
土曜、日曜

New Interview